東電OL殺人事件 点と点がみるみる線になる恐怖の実態 (5)

社内では完全に無視された存在で
窓際に追いやられて干されていることを
全身で理解していながら
それでも
原発以外での電気エネルギー発生方法の考察
すなわち地熱発電の可能性に賭ける思い
と同時にやはり 父のやり残した
原発の捏造された安全神話への
飽くなき追究心を弱めることなく
かつては 扱いづらい部下
今は 頼りにされることもない
声掛けしにくくて近寄りがたい
ある種「聖域」のような存在感で
煙たがられる上司として
誰に邪魔されることもなく
黙々と作業に没頭できる立場にあり
定時退社することで逆に歓迎されているのだ
という空気を毎日背中に感じながら
日々円山町へと向かい
花魁かと見紛う厚化粧で
見知らぬ男の肉棒を受け入れ
この潔癖性であるからこその
究極の自虐行為によって
毎回父と結ばれ
母への復讐を果たし
かろうじてまだ生きている
という確認作業のルーティンにより
わざわざ死ぬこともなかろう
という意識にまで達する強度を
獲得してしまった泰子さん

この私の単なる想像に
少しでも真実はあるのだろうか?

父が他界した時
彼女は最初の摂食障害になりながらも
口ばかりで何一つ行動に移せない
お嬢様育ちの母に代わり
一家の大黒柱として生きてゆくことを決意し
父のやり残した仕事を
どうせなら父と同じ仕事場でやり遂げたい
という半ば執念に近い思いで
父の上司のコネも利用し
ねじ込むように東電へ入社します

職場で干されながらも
会社の悪口を許せないで
常連客に怒鳴り散らす彼女の態度は
そこがかつて父のいた会社であった
というこの一点に尽きるのではないか?

ここでまた
ブログ「影絵」からの紹介です

『「週刊新潮」(2007年3月22日号)に
掲載された元大学教授の述懐』
と題されたもので
作家である松田美智子
泰子さんの常連客であった男から
聞いたとされる話です
先述の「五十代の男」とは
全くの別人のようです

 

① 事件の3年前の夜

道玄坂地蔵近くの路地で声をかけられ

最後に会ったのは事件前日の3月7日

3年間で彼女に支払った総額は168万円

② コンサートや美術館

京都での仏像巡りをなんども誘ったが

実現しなかった

③ 「私なんかリストラでいつ飛ばされるか分らない

あそこ以外では使い物にならないから」

と言うので

経済調査室は情報の中枢をなす部署なんだから

無くなったりしないよ と慰めた

(註・『東電OL症候群』によると

泰子がつとめていた「経営企画室」は

組織改革されてなくなった)

④ 僕がなによりひかれたのは

彼女のクレバーさ 上品さ 気持ちのよさ

職業柄 ドクターコースの女性を大勢知っているが

きちんと理論が整理されているのは彼女がトップ

⑤ 叶うことなら彼女のお骨の前で懺悔したい

ご家族にもお詫びしたい

⑥ 事件から数ヵ月後

30年近く奉職していた大学を定年退職

彼女の冥福を祈りながら余生を過ごしたい

⑦ 約1年後

彼女が葬られている墓地を見つけ

やっとお参りができた

大好きだったお父さんと同じお墓

本当によかった

 

この後 ブログ「影絵」の管理人さんは
こう続けています

 

彼の述懐を読んでわたしが疑問に思うのは

最後まで金銭が介在した関係だったところだ

彼が渡辺泰子に対して親身に接していたとしても

彼女にとっては

顧客のひとりでしかなかったのではないのか

それでも

これほど泰子のことを死後も大切に思う人間が

客のなかに存在していたとしたら

わたしは安堵する

佐野眞一は彼に会わなかったのだろうか

 

1996年6月
勝俣恒久が取締役企画部長に就任
藤原万喜夫は企画部管理課長となり
この両者ともが 泰子さんの直属の上司となり
泰子さん自身は この同じ6月から
「マゾッ娘宅配便」という風俗店に在籍
ここでの源氏名は「さやか」でした

勝俣と藤原が揃って
泰子さんの仕事ぶりを監視しに来た
と思わない者はいなかったはず

恐らく前年に起きた
阪神・淡路大震災の影響
色濃いのだと思われます

あの惨事によって
ウカウカしてられないと
心の底から感じた泰子さんは
地震が及ぼす原発への影響を
改めて徹底的に調べ尽くしたに違いありません

そして
何度目かの彼女のレポート内容に
原発の存在を
根底から揺るがしかねないものが
紛れ込んでいたであろうことは
容易に想像できます

きっと
内部告発も辞さない態度で
臨んでいたのです

会社としては何としてでも
彼女の暴走を止めなければならず
そこで駆り出されたのが
2011年の3.11勃発当時にはすでに
会長であった勝俣
副社長であった藤原だったのでしょう
このトントン拍子の出世スピードを見ても
この時点で泰子さんの動きを阻止することが
東電にとっていかに重要であったか
分かるというものです

とにかく毎日毎日
ありとあらゆる方法で
泰子さんにプレッシャーをかけ続ける
監視尾行なんて当たり前
企画部全体が彼女のと化すのです

それでも毎日毎日
父のことを考えて
耐えしのいでいたのだろう彼女が
さらなる自虐行為として
土日祝限定の風俗店勤務を選んだというなら
何ら説得力にかけるものはないのですが
単なる目撃情報しかなく
風俗店店員からの証言とて
司法と企業が結託しているならば
捏造するのは容易いことであり
それが事実だったかどうかは
あくまで定かではない
という前提で考察するしかないのが
どうにも歯がゆくてなりません

勝俣に白羽の矢が立ったのは
彼が本店企画部課長として
TQC活動推進担当をしていたという
その数々の経歴からであろうと思われます
TQCとは Total Quality Control
「総合的品質管理」のことで
ぶっちゃけ 社内での魔女狩り
先陣切ってやってたってことになります

 

(6)へつづく

 

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